工場で働いてみたいけれど、
「工場にはどんな部署があるの?役割は?どんな人が向いてる?」
という疑問は多いです。
この記事では、工場で働いて28年以上の僕が、
主要部署の役割・仕事内容・向いている人の特徴 を実体験を交えて解説します。工場で働く事を考えている方必見!
☆この記事を読んでわかる事
- 工場にある部署の全体像
- 部署ごとの仕事内容
- 自分がどの部署に向いているか
- 未経験でも選びやすい部署
- 製造現場のリアルな声と注意点
工場にはどんな部署があるの?

工場の部署は大きく2つに分かれます。
ここでは、どんな工場でも存在する代表的な部署を紹介します。
◇直接製品・生産に関連する部署
- 製造
- 生産技術
- 品質保証
- 生産管理
- 技術(製品設計)
◇工場の運営、操業に関連する部署
- 資材調達
- 営業
- 総務
- 人事
- 経理
- 安全衛生(安全環境)
ここからは、それぞれの仕事内容と向いている人を具体的に解説します。
仕事内容と向いてる人 『製品・生産関連部署』

製造
実際の製品の製造を行う部署
- 仕事内容
工程ごとに課や係が分かれていることが多く、
高卒者はここに配属される場合が圧倒的に多いです。
製造現場内には、さらに次のような担当があります。- 保全:設備の保守メンテ修理
- 物流:製造された製品の梱包、保管、出荷、配送手配などを行います。
- 向いてる人
- モノづくりが好き
- 丁寧さ・集中力がある
- 機械操作が苦手ではない
- 黙々と作業できる
- 協調性が高い
Onobu
体験談
僕はこの部署の職制(現場責任者:班長以上)で、
作業指導、作業標準類の作成、不具合設備の対応、品質問題対策、現場改善が主な業務でした。
自分の采配や管理の仕方で、班の良し悪しが変わってしまう責任感とやりがいの大きい職場です。
生産技術
製造ラインを効率的に、安全に、品質よく動かすための 設備と工程のプロ集団。
技術部「設計」が製品なら生産技術「生技」は設備のプロです。
- 仕事内容
- 新設備の導入
- 治具の設計
- 工程改善
- 不良削減のための仕組みづくり
- 向いてる人
- 問題解決が得意
- 計画的に進められる
- 多角的に物事を見られる
- コミュニケーション能力がある
- 臨機応変に対応できる
Onobu
体験談
僕はここにも数年在籍していました。
新規設備の仕様検討~立ち上げ、設備移管などをやってました。
個人商店の様な部署で繁忙期は非常に残業と休日出勤の多い部署ですが、同時に自分の考えた設備で製品が出来ていくのは、非常にやりがいを感じます。
品質保証(QA)
製品の品質を守る最後の砦。
製品の品質基準の設定、製造工程での品質チェック、
完成品の検査、品質問題の原因究明と改善策の実施、
顧客からの品質に関する問い合わせ対応、
顧客からの製品クレーム対応なども行います。
- 仕事内容
- 検査・測定
- 工程監査
- 品質基準の設定
- クレーム対応
- 原因調査と再発防止
- 向いてる人
- 論理的に考えられる
- 細かい点に気づける
- コミュニケーション能力がある
- ルールを守れる
生産管理
工場全体のスケジュールと物の流れを管理する “司令塔”。
- 仕事内容
生産計画の立案、資材の調達、在庫管理、工程管理、納期調整など、
生産活動全体がスムーズに進むように管理・調整を行います。- 生産計画
- 資材手配
- 在庫調整
- 工程負荷調整
- 納期管理
- 向いてる人
- マルチタスクが得意
- スケジュール管理ができる
- 視野が広い
- 多くの部署と調整するのが苦にならない
技術(製品設計)
製品そのものの設計、研究開発を行う部署。
- 主な役割
新製品の研究開発、既存製品の改良、新しい製造技術の開発などを行います。
製品設計、条件出しなどを行う製品のプロです。- 向いてる人
・細部に気を配れる
・想像力が豊か
・問題解決力がある
・几帳面
・コミュニケーション能力が高い
仕事内容と向いてる人 『運営・操業関連部署』

資材調達
部品・原材料の手配や価格交渉を行う部署。
- 主な役割
製造に必要な原材料や部品、消耗品などの調達、価格交渉を行います。
関連業者と密接にやりとりする機会が多いので、
必然的に外回りが多くなります。- 仕入れ先選定
- 見積り・交渉
- 部品の納期管理
- 向いてる人
- コミュ力が高い
- ロジカルに話せる
- 外回りが苦にならない
営業(工場専任含む)
顧客対応を中心とした工場窓口。
- 主な役割
顧客からの受注、製品仕様の確認、納期交渉、納品後のフォローなどを行います。
工場によっては、工場専任の営業担当がいる場合もあります。- 受注
- 納期調整
- 仕様確認
- アフターフォロー
- 向いてる人
・コミュニケーション能力が高い
・交渉が得意
・プレゼン能力が高い
・成果を数字で感じたい人
総務
工場全体の「縁の下の力持ち」。
- 主な役割
工場全体の設備管理、安全管理、環境対策、防災、庶務、備品管理など
幅広い業務を担当します。
社員の働きやすい職場つくり、時にはイベント主催など- 設備管理(工場全体)
- 安全管理
- 備品管理
- 福祉・庶務
- 向いてる人
- 人のサポートが好き
- 視野が広い
- 臨機応変に動ける
人事
採用、労務、教育などを担当。
- 主な役割
従業員の採用、労務管理、教育研修などを担当します。
工場固有の人事業務を行う場合もあります。
工場規模によっては、人事と総務は同一部署として業務を行う事もあります。- 面接
- シフト管理
- メンタルケア
- 研修企画
- 向いてる人
- 人に興味がある
- 観察力がある
- 信頼されやすい
- 秘密保持力がある
経理
数字による工場の健康診断。
- 主な役割
工場運営に関わる経費管理、原価計算、予算管理などを行います。
決算や損益・貸借などの整理も行います。
工場規模によっては、
決算や損益・貸借:「経理」、
経費管理、原価計算、予算管理:「経営企画」に分かれる場合もあります。- 原価計算
- 予算管理
- 製造コストの分析
- 向いてる人
- 数字が強い
- コツコツ進められる
- 論理的
- 分析が得意
Onobu
僕は、この部署の仕事やりたいなぁ
安全環境(安全衛生)
労働災害防止と環境対応を担当する部署。
- 主な役割
労働災害の防止、工場内の安全衛生活動、
排水や排煙などの環境負荷物質の管理、法規制への対応などを行います。- リスクアセスメント
- 安全教育
- 有害物管理
- 法令対応
- 向いてる人
- 責任感がある
- 注意深い
- 問題解決が得意
- 法令・規制に関して学習意欲が高い
まとめ

工場の主な部署まとめ
- 製造:モノづくりの中心
- 生産技術:設備のプロ
- 品質保証:品質の守護神
- 生産管理:工場の司令塔
- 技術(設計):製品の開発者
- 間接部門(資材・総務・人事・経理・安全):工場を支える裏方
部署選びのヒント
- モノづくりが好き → 製造・生技
- 論理的 → 品質保証・技術
- コミュ力高め → 営業・調達・生産管理
- 数字に強い → 経理
- 人を支えるのが好き → 総務・人事
次にやるべきこと
以下の記事でさらに深掘りできます。
- 工場勤務の良いところ・大変なところ
- 工場に向いてる人の特徴
- 工場の種類と仕事内容の違い
工場=製造のイメージが強いですが、製造を行うために様々な部署が支えています。
これらの部署は、工場の規模や事業内容によって統合されていたり、さらに細分化されていたりします。
どの部署にも共通して言える事は、コミュニケーション能力は不可欠であるという事
業務は1人で完結出来る事はほとんどなく、様々な人、部署、他社の協力が必要です。
互いの意見をしっかり折衝することができる程度には、身に付けておいて損はないでしょう。
Onobuさん
体験談もぜひコメントで!
あなたが働いている部署の話、向いていると感じた理由など、気軽にコメントしてください。