事務職も資格がなくてもお仕事をはじめられることも多いですが、資格を取得することで実務に活かせたり、
就業先から評価してもらえたり、お仕事の可能性が広がることもあります。

業務内容によって、おススメの資格はそれぞれ異なります。
近頃では、語学力や高度なITスキルを証明できる資格があると転職で有利にはたらくでしょう。
また、簿記や貿易に関する資格を習得することで、専門性の高い事務職に就ける可能性もあります。

今回は、事務職でどのような知識・スキルが求められ、どんな資格が役立つのかを詳しく紹介します。

製造現場でオススメの資格はこちらをご参照願います。

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それでは解説していきます。

事務職の主な業務内容

事務職の主な業務内容は多岐にわたりますが、企業や部署によってその範囲は大きく異なります。
しかし、共通して見られる典型的な業務をいくつか挙げることができます。

以下に、事務職の主な業務内容をカテゴリー別にまとめました。

  • 文書・資料作成、管理業務
    書類作成:
    会議資料、報告書、企画書、稟議書、契約書、見積書、請求書、案内文、お礼状などの作成・編集。

    データ入力・集計:
    社内システムやExcelなどを用いて、売上データ、顧客情報、経費データなどを正確に入力し、
    集計・分析資料を作成します。

    ファイリング・文書管理:
    紙媒体の書類や電子データを整理・分類し、必要な時にすぐに取り出せるように管理します。
    機密情報の適切な取り扱いも含まれます。

    資料の印刷・製本・送付:
    作成した資料の印刷、製本、郵送や宅配便での発送手配など。

  • 来客・電話・メール応対業務
    電話応対:
    代表電話の取次ぎ、問い合わせ対応、伝言の記録と連絡。

    来客応対:
    来訪者の受付、案内、会議室への誘導、お茶出しなど。

    メール対応:
    社内外からの問い合わせメールへの返信、情報共有のためのメール配信、担当者への転送など。

  • 備品・資産管理業務
    備品管理:
    オフィス用品(文房具、用紙、トナーなど)の在庫確認、発注、検品、補充。

    固定資産管理:
    パソコン、プリンター、机などの固定資産の台帳管理や、定期的な棚卸しのサポート。

  • スケジュール・会議調整業務
    スケジュール管理:
    上司や部署内のメンバーの会議、出張、アポイントメントなどのスケジュール調整と管理。

    会議準備:
    会議室の予約、資料の準備、配布、備品の準備、議事録作成など。

  • 経理・会計サポート業務
    経費精算:
    従業員の交通費や出張費などの経費申請のチェック、処理、精算。

    伝票処理:
    請求書、領収書などの伝票整理、会計システムへの入力補助。

    小口現金管理:
    現金出納帳の記帳、残高確認、現金の出し入れなど。

  • その他庶務業務
    出張手配:
    航空券や宿泊施設、新幹線などの手配。

    名刺作成・管理:
    名刺の発注や社員への配布、名刺情報のデータ管理。

    清掃・環境整備:
    オフィス内の簡単な清掃や整理整頓、快適な執務環境の維持。

事務職で必要なスキル

事務職は、企業の円滑な運営を支える重要な役割であり、様々な部署で多岐にわたる業務を担います。
そのため、幅広いスキルが求められますが、特に以下のスキルは共通して必要とされ、企業から高く評価されます。

  • 基本的なPCスキル(Word, Excel, PowerPoint)
    Word:
    報告書、企画書、案内文、契約書など、あらゆるビジネス文書の作成に必須です。
    正確かつ読みやすい文書を作成する能力は、ビジネスコミュニケーションの基本となります。

    Excel:
    データ入力、集計、分析、グラフ作成など、数値管理や資料作成に不可欠です。
    売上管理、在庫管理、経費精算、顧客データ管理など、多くの事務業務で活用されます。
    計算機能や関数を使いこなすことで、業務効率が格段に向上します。

    PowerPoint:
    会議資料、プレゼンテーション資料の作成に用いられます。
    視覚的に分かりやすい資料を作成する能力は、社内外への情報共有や説明の場面で重要です。

  • ビジネスマナー・コミュニケーション能力
    ビジネスマナー:
    電話応対、来客応対、メールや文書でのやり取りなど、社内外とのコミュニケーションにおいて、
    相手に不快感を与えず、円滑な関係を築くための基本です。
    企業の顔として、会社の印象を左右することもあります。

    コミュニケーション能力:
    部署内外の連携、顧客や取引先との調整、上司への報告、同僚との情報共有など、円滑な業務遂行には必須です。
    相手の意図を正確に理解し、自身の意見を明確に伝える力が求められます。
    報連相(報告・連絡・相談)を適切に行う能力もこれに含まれます。

  • 情報管理能力
    書類やデータ(紙媒体・電子データ問わず)を適切に整理・保管し、必要な時にすぐに取り出せる能力は、
    業務効率と情報セキュリティの観点から非常に重要です。
    ファイリングルールやデータ命名規則の徹底、機密情報の適切な取り扱いなどが含まれます。

  • 正確性・丁寧さ
    データ入力、書類作成、経費精算など、事務業務は細かな作業が多く、
    一つのミスが大きな損害や信用失墜に繋がる可能性があります。
    正確に作業をこなし、確認を怠らない丁寧な姿勢は、事務職の信頼性に直結します。

資格取得のメリット

事務職に従事する方が資格を取得することには、以下のようなメリットがあります。

  • 専門性の証明
    担当業務に関する深い知識やスキルがあることを客観的に証明できます。

  • 業務効率・質の向上
    専門知識を活用し、より効率的かつ質の高い業務遂行が可能になります。

  • 問題発見・解決能力の向上
    体系的な知識を学ぶことで、業務上の課題や問題点を発見し、解決策を検討する能力が高まります。

  • 部門間の連携強化
    他部署の業務や専門性を理解することで、連携がスムーズになり、工場全体の最適化に貢献できます。

  • キャリアパスの拡大
    より専門性の高い職種への異動や、管理職への昇進の機会が増える可能性があります。

  • 社内外からの信頼獲得
    資格保有者として、社内外からの信頼を得やすくなります。

事務職でオススメの資格12選_生産管理・品質保証関連

QC検定(品質管理検定)

オススメ理由
生産計画の立案や進捗管理、在庫管理などにおいて、品質データに基づいた分析や改善提案は不可欠です。
QC検定で品質管理の基本的な考え方や統計的手法を学ぶことは、
データに基づいた意思決定や問題解決に役立ち、生産効率や品質向上に貢献できます。

分類民間資格
・1級、準1級、2級、3級、4級
受験資格なし
合格率・1級:10%程度
・準1級:19%程度
・2級:25%程度
・3級:54%程度
・4級:85%程度
公式サイトJSAGROUP 日本規格協会グループ

TOEIC

オススメ理由
英語を使用する事務職として人気の貿易事務。
国外の取引先と英文メールや書面でのやりとりをする機会も多く、
身につけた英語力を活かして働きたい方に、オススメのお仕事です。

分類国際資格
受験資格なし
合格率合格・不合格はなく、
10~990点の間の5点刻みで採点
600点以上が取れていれば、TOEIC受験者のなかでも平均的な英語力
公式サイト一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会

購買・調達関連

調達・購買検定

オススメ理由
適切なサプライヤー選定、価格交渉、契約管理、リスク管理など、
購買・調達業務に必要な専門知識やスキルを体系的に学べます。
コスト削減や安定的な資材供給に貢献でき、企業の利益に直結する重要な役割を果たす上で役立ちます。

分類民間資格
CPP-A、CPP-B
受験資格CPP-A:B級保持者
CPP-B:なし
合格率CPP-A:60~65%
CPP-B:35~45%
公式サイトCPP購買・調達資格公式サイト

貿易実務検定

オススメ理由
海外から原材料や部品を調達したり、海外へ製品を出荷したりする場合に役立ちます。
インコタームズ、決済方法、通関手続き、為替リスクなど、
貿易に関する専門知識が必要となり、スムーズな国際取引をサポートできます。

分類民間資格 A級、B級、C級
受験資格なし
合格率A級:35%
B級:45%
C級:65%
公式サイト貿易実務検定

経理・財務関連

日商簿記検定

オススメ理由 訓練給付金対象
経理部門以外でも、予算管理、原価計算、部門別採算管理など、
お金に関する知識は間接業務の多くの場面で必要です。
簿記の知識があれば、財務諸表の読み解きや、コスト構造の理解が進み、
経営判断に関わるデータの分析や報告に貢献できます。

分類民間資格
1級、2級、3級、初級
受験資格なし
合格率1級:10%
2級:20~25%
3級:35~40%
初級:60%
公式サイト日本商工会議所・各地商工会議所

建設業経理士(工場設備の建設や修繕が多い場合)

オススメ理由 訓練給付金対象
工場設備の建設や大規模修繕などが頻繁に行われる企業では、
建設業に特化した経理知識が役立つ場合があります。

分類民間資格
1級:財務諸表
1級:財務分析
1級:原価計算
2級、3級、4級
受験資格なし
合格率1級財務諸表:25~30% 1級財務分析:30%
1級_原価計算:25%
2級:40%
3級:65%
4級:78%
公式サイト一般財団法人 建設業振興基金

総務・人事関連

衛生管理者

オススメ理由
労働安全衛生に関する専門知識を証明し、
工場全体の衛生管理計画の策定や実施、労働環境改善活動の中心的な役割を担うことができます。
従業員の健康と安全を守る上で非常に重要な資格であり、管理職へのステップアップにも有利です。
第一種は有害業務を含む工場全体を管理できます。

分類国家資格
・第一種衛生管理者
・第二種衛生管理者
受験資格
・大学(短大を含む)または高等専門学校を卒業:1年以上の労働衛生の実務経験
・高等学校または中等教育学校卒:3年以上の労働衛生の実務経験
・学歴の条件に当てはまらない:10年以上の労働衛生の実務経験
合格率一種:40~45%
二種:50~55%
公式サイト安全衛生技術試験協会

社会保険労務士

オススメ理由 訓練給付金対象
人事・労務の専門家として、社会保険手続き、就業規則作成、労務管理に関するアドバイスなどを行います。
従業員数の多い工場では、社労士の知識を持つ人材は非常に重宝されます。

分類国家資格
受験資格学歴:大卒、短大卒、高校専門卒
実務経験:法人、公務員、労働組合役員、職員3年以上
他試験合格:厚生労働大臣が認めた国家試験委合格したもの
合格率6.4%
公式サイト社会保険労務士試験オフィシャルサイト

メンタルヘルス・マネジメント検定

オススメ理由 訓練給付金対象
従業員のメンタルヘルスケアに関する知識を習得し、職場環境の改善や相談対応に役立てることができます。
近年、メンタルヘルス対策の重要性が高まっており、人事・総務担当者にとって有用な資格です。

分類民間資格 1種、2種、3種
受験資格なし
合格率1種:20%
2種:60%
3種:74%
公式サイトメンタルヘルス・マネジメント検定試験

情報システム・IT関連

基本情報技術者

オススメ理由
工場では生産管理システム、在庫管理システム、品質データ分析システムなど、様々なITシステムが稼働しています。これらの基礎的なIT知識やシステム開発・運用に関する知識があれば、
システム部門との連携がスムーズになったり、現場からの改善要望をシステムに落とし込む際に役立ったりします。

分類国家資格
受験資格なし
合格率40~45%
公式サイトIPA情報処理推進機構

法務・コンプライアンス関連

ビジネス実務法務検定

オススメ理由
契約書の確認、個人情報保護、下請法など、
企業活動に関わる様々な法律知識が必要な総務や購買などの部署で役立ちます。
コンプライアンス遵守が求められる現代において、必須とも言える知識です。

分類民間資格 1級、2級、3級
受験資格なし
合格率1級:15%
2級:35~40%
3級:40~45%
公式サイト東京商工会議所

その他

DX検定

オススメ理由
DX推進には、部署や役職に関わらず、
全社員がデジタル技術やビジネストレンドに関する共通の理解を持つことが不可欠です。
DX検定は、先端IT技術トレンドとビジネストレンドの両面から出題されるため、
DXに関する幅広い基礎知識を体系的に学ぶことができます。
これにより、社内でのDXに関する議論や施策がスムーズに進み、部署間の連携も円滑になります。

分類民間資格
受験資格なし
合格率DXプロフェッショナル(800以上):2%
DXエキスパート(700~799):7%
DXスタンダート(600~699):21.8%
公式サイトDX検定委員会

資格を選ぶ際のポイント

  • 現在の業務への直結度
    日々のルーチンワークの効率化や精度向上に役立つか、
    特定の作業を行う上で必要な知識や技能が得られるかを考えましょう。
    学んだことがすぐに実践に活かせる資格は、モチベーション維持にも繋がりやすいです。

  • 担当したい、あるいは将来的に任される可能性のある業務との関連
    現在の業務だけでなく、今後挑戦したい、
    あるいは会社から期待されている(打診されている)業務に必要な資格であれば、
    取得によってキャリアアップや業務範囲拡大のチャンスを掴みやすくなります。

  • 会社の事業内容や部署の役割との整合性
    会社が力を入れている分野や、所属部署が果たすべき役割を理解し、それに貢献できる資格を選びましょう。
    会社の戦略と合致する資格は、評価されやすい傾向にあります。

  • 上司や同僚からの評価・推奨
    実際に職場で働いている先輩や上司に相談してみるのが最も有効な方法の一つです。
    どの資格が実務で役立つか、取得するメリットがあるかなど、リアルな意見を聞くことができます。

  • 会社の資格取得支援制度の有無
    会社に資格取得に関する費用補助、特別休暇、合格報奨金などの支援制度があるか確認しましょう。
    会社が支援している資格は、会社がその価値を認めており、取得を奨励している証拠でもあります。
    支援があれば、経済的負担も軽減されます。

  • 公的支援の有無「教育訓練給付制度」
    厚生労働省が推奨する対象資格の場合、資格の難易度で受講費用の一部が給付される公的支援制度です。
    対象資格の申請や詳細は、ハローワークで確認できます。
    ハローワークインターネットサービス

  • 法令遵守との関連性
    工場では、業務内容によっては法令で定められた資格(必置資格など)が必要な場合があります。
    担当業務や職場がそうした資格と関連しているか確認し、取得が必要であれば優先順位が高くなります。
    これは会社にとっての法令遵守に直接貢献することになります。

  • 取得の難易度と現実的な学習計画
    業務と両立しながら学習することになるため、
    「資格の難易度」「合格までに必要な学習時間」「試験頻度」などを考慮し、現実的に取得可能かどうかを判断しましょう。
    無理な計画は挫折の原因になります。

まとめ

工場勤務の給料・待遇は資格の有無によって変わってくる。
給与・専門知識及び技能、キャリア向上、転職に有利。
資格によっては一定の学歴や、実務経験などの受験資格が必要な場合もある。
難易度を確認し、通信教育や公的支援「教育訓練給付金制度」などを利用して取得を目指す。

間接業務は多岐にわたるため、ご自身の現在の役割、所属する部署、
そして将来目指したい方向性を明確にした上で、関連性の高い資格を選ぶことが最も効果的です。

さぁ 皆さんも工場で働きましょう!